今回は、虹色コラムvol.5でも取り上げた「敏感期」について、もう少し掘り下げていきたいと思います。

 

まだ小さいお子さんが、ついさっきまでとっても機嫌良くしていたのに、ちょっとした事で急に泣き出したり、大声を出したり、ごねたり、拗ねたりしてしまって、その対応に困ったことはありませんか?

 

私自身も、我が子がまだ2~3歳の頃、スーパーなどで「やだーやだー!」などと言いながら床にひっくり返るのを見て、「本当にこれ、やるのだな」と思いつつ、さてどうしたものかと途方にくれたことが何度かありました。

子どもが大泣きして、理由もわからず、どうなだめてもちっとも泣き止まない時は、本当に大変ですよね。

「あぁ、これが恐怖のイヤイヤ期、最初の反抗期が始まったんだな・・・」と思ったりしました。

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この“第一次反抗期”とも言われる年齢の子どもは、なぜ「反抗」するのでしょうか。それは本当に「反抗」なんでしょうか?
モンテッソーリ教育の見方をすると、それは「反抗」しているではなく、その子どもの「敏感期」が現れているだけなのかもしれません。

 

先のコラムでも取り上げましたが、改めて「敏感期」は何かと言うと、
“生き物がまだ小さい時に、ある能力を身に付けるため、その環境の中の特定のものに対して感受性が強くなり敏感になる時期”のことです。

 

この「敏感期」は、子どもが育っていく時に、ありとあらゆる場面に起こります。

分類すると

  • 言語の敏感期 (話し言葉や書き言葉に対するもの)
  • 秩序の敏感期 (場所や順番などに対するもの)
  • 感覚の敏感期 (視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感を刺激するものに対して)
  • 運動の敏感期 (運動機能を発達させて動きを獲得する。さらにその動きを洗練させる)
  • 数の敏感期 (年齢・日付など数に対するもの)
  • 文化の敏感期 (生物、地理、地学、時の流れなどへの興味関心)

などに分類できます。

 

この中で反抗期に関係してくる敏感期は、特に「秩序」や「運動」などの敏感期と考えられます。

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では、子どもが大泣きしてしまうなどのイヤイヤ期の態度は、一体何が原因なのでしょう?

 

まずは、先のコラムでもとりあげましたが、「秩序の敏感期」が乱されているからということが考えられます。

 

「秩序の敏感期」は、〈場所・順番・習慣・所有物〉などについて敏感になり、いつもと同じ場所、同じ順番、いつもと同じやり方、いつも同じ人がその物を使う、などということに非常にこだわります。
ところが、子どもがそこにこだわっていることに大人が気付かず、それを無視した対応をしてしまうと、途端に機嫌が悪くなります。

 

例えば、靴下を履かせてあげる時、先に履かせるのが右と左で違ったぐらいでも、嫌がって大騒ぎになることがあります。
バス停まで歩いて行く時に、今日はちょっと急いでいるからといって近道をしようとすると、ぐずってしまい、かえって時間がかかってバスに乗れなかった、ということもあります。
テーブルで座る場所や自分の椅子にこだわったり、自分のコップを他の人が使うのを強く嫌がったり、時には自分のコップではなくて、家族のコップを誰か違う人が使うのを嫌がる時もあります。

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その子にとっての秩序は、一見わかりにくい事も多いですが、ぜひお子さんを観察して、どんなところにこだわっているのが探してみて下さい。
いつもお母さんと一緒に出かけている場所に、今度お父さんと行ってみようということがあったら、いつも習慣にしていることはないか、例えば、「いつもここの角を曲がって、この信号を渡る」「ここのエレベーターのボタンはいつも子どもが押している」という様な細かいことを上手く引き継げると、外出がスムーズになるかもしれません。

 

また、イヤイヤ期の態度の原因として、「自分でやりたかったから」という場合も多くあります。
これは「運動の敏感期」と関係してきます。

 

「運動の敏感期」にある子どもは、自分が生活して行くための色々な動き方を身につけようとしています。からだ全体を力一杯動かすものから、手首や腕を使うもの、そして指先の小さな動きに至るまで、それぞれに対して敏感期がきます。

 

歩き始めたばかりの子どもが、意外と長い距離を歩くことがあると思いますが、まさにその子どもは「歩く動きを獲得」するために、繰り返し繰り返し歩いているのです。
スーパーに行ってカートを押したがったり、重たいカゴを持ちたがるのも、ある自分のからだの部分を思い通りに動かせる様になりたい、という敏感期のなせる技です。

 

そんな敏感期の子どもは、一生懸命にその作業に没頭します。
そんな風に没頭している時、例えば、子どもが靴下を履こうと一生懸命になっている時に、急いでいるからといって大人がさっと靴下を取り上げて、その子にはかせてしまうというのは、無我夢中でやっていたことをいきなり取り上げられ、中断されてしまう事になってしまいます。
大人でも、夢中でやっていることを途中で邪魔されるのは嫌ですよね。
ぜひ、子どもが自分で一生懸命にやり遂げようとしている姿、見守ってあげてください。

 

もちろん子どもがゆっくりやっているのを待っていられない時もあるでしょう。
そんな時は、「今日は急いでいるから、お母さんがお手伝いしてもいい?」と聞いてみて下さい。
「うん」と言ってくれるかもしれませんし、そうでなくても“急ごう”という意識が少しでもでるかもしれません。

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もちろん、イヤイヤ期の反抗をしてぐずったり泣いたりすることもあると思います。
その様な時、私自身の場合は、まず子ども本人や周囲に危険になる様なことをしている時には怒って止めます。
また、周囲に迷惑になる様なことを続けている時には、「それ以上やってはダメ」とはっきり伝え、ぐずりが続く様であれば、場所を変え、ゆっくりぐずれる場所を探す様にしています。
また、子どもに「ダメ」という時は、その基準が自分の中でもぶれない様に気を付けています。

 

我が子はもう小学生になったので、もうイヤイヤ期ではないのですが、過去を振り返っても、この「敏感期」を知っていたおかげか、イヤイヤ期にすごく大変だったということは、あまりありませんでした。

 

お子さんがイヤイヤ期でぐずった時、「もしかしたら何かの敏感期かな?」という視点で、原因をぜひ探してみて下さい。

 

【参考文献】

  • お母さんの「敏感期」 相良敦子 文春文庫
  • お母さんの工夫 モンテッソーリ教育を手がかりとして 相良敦子・田中昌子 文藝春秋
  • モンテッソーリ教育で子どもの本当の力を引き出す! 藤崎達宏 三笠書房知的生きかた文庫

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